着付けの資格って何? 着付けの資格とお仕事の話。
着付けの技術は趣味としてだけでなく、仕事として様々な場で活かすこともできます。
人生の節目に着物を着る人はいる一方で、昔と比べると着付けが出来る人が減っているので、着付けの仕事の需要は高まっているといわれています。
着付けの仕事をしたいと思った場合、着付けの資格は必要なのでしょうか。 また、着付けの資格にはどんなものがあって何の効力があるのでしょうか。
この記事では、着付けの資格を、着付けに関するお仕事の話とあわせて細かく説明していきます。
婚礼の着付け 一生の思い出の日のお手伝いをする仕事には資格が必要?
1.着付師は「資格」であり「免許」ではない
最初に知っておいていただきたいのが、着付師は免許制ではないということです。
例えば美容師は免許制で免許がないと美容業務が行えません。勿論お友達や家族のヘアメイクをするのは違反ではありませんが、業として行うことは出来ないということです。
着付けの仕事に資格は必要?
美容師のような免許制の仕事と違い、着付けというのは免許制ではありません。
そして、資格がないと着付けの仕事ができないものでもありません。
着付けの仕事を募集している会社の中には、着付けの研修制度を整備していて着付けの技術が無くても採用してくれるところもあります。
ただし、資格というのはある水準の知識や技能を持っていることを証明するものなので、資格を持っていると即戦力として信頼されますよね。
着付けの資格には着付けの実技だけでなく着物に関する幅広い知識も求められます。
つまり、着付けの技術及び知識を網羅的に学べるメリットがあるので、自分自身のスキルアップの意味でも資格を持っておくとよいでしょう。
それでは、実際にどのような資格があるのか、また資格をどのように捉えるのが良いのかを説明していきます。
2.国家資格「着付け技能士」は他装の技能に特化
着付け関連の唯一の国家資格として「着付け技能士」があります。
この資格は、他装、つまり他の人への着物の着付けを行う技能を対象とした資格検定です。
資格には「1級着付け技能士」「2級着付け技能士」の2つの称号があります。
試験科目は学科と実技
試験科目は、着付けに関する知識を問う学科と、他装技術を問う実技の2種類の試験科目があります。
知識の学科は、着物の歴史、文様や織物の名称から着物の取り合わせなどまで、幅広い知識が求められます。
他装実技は、令和元年度から四年度までの1級着付け技能士は礼装用の中振袖(ふくら雀)の着付けで、2級着付け技能士は訪問着又は付下げ訪問着(二重太鼓)の着付けでした。
受験には実務経験が必要
学科試験資格には実務経験または専門学校での指定過程を修了していること、また実技試験は学科試験に合格していること、などの条件があります。
画像引用元:全日本着付け技能センター
3.民間の認定資格は目的に合わせた段階的なものが用意されている
民間の着付けに関する資格は財団法人や協会、着付け教室が「認定資格」として発行しています。
着物や着付けの知識を活かして多くのシーンで活躍する人材を輩出する目的は着付け技能士と同じですが、国家資格と大きく違う点は2つあるといえます。
1)資格の最上位は「着付け教室師範」
資格の名称や段階もそれぞれの運営企業の方針により様々ありますが、最終目的に「教授」「師範」の称号が与えられ、看板を授与する制度がある教室がほとんどです。
2)どの段階まで資格を取るかは自分の目的次第
着付け教室の師範までは望んでいないけれど、「自分で美しく着付けできればいい」または「着付師として働けるレベルまで技術を習得したい」など、教室に通う方の目的に合わせた資格取得が出来るのが特徴です。
着付け教室の資格を取得するためには
これらの着付けの資格を取得するためには、教室が指定しているコースを修了し試験に合格すると、認定をもらうことができます。
4.着物関連の仕事の種類
着付けの技術をいかした仕事や活躍の場は数多くありますが、それぞれ求められる技術や知識が異なってきます。
いくつかの例をご紹介します。
着付けをする仕事
活躍の場:
婚礼会場・美容院・自宅で着付け・出張着付け
フォトスタジオ
特徴・求められる技術や知識:
冠婚葬祭、成人式、卒入学式、七五三、パーティー、お食事会、観劇など、シーンに合わせた着付けを行う。
快適に過ごせて着崩れしないような高度な着付け技術が求められる。自分自身は着物を着ないで行う。
着物を販売する仕事
活躍の場:
呉服売り場・着物レンタルショップ
着物スタイリスト
特徴・求められる技術や知識:
着物の種類や柄や文様、格合わせ、小物との取り合わせなどの幅広い知識及びセンスが問われる。呉服メーカーとの専門用語でのコミュニケーションも必要。
お店によっては着付けを行うところも。
着物を着ることが求められる仕事
活躍の場:
高級和食店や老舗旅館のスタッフ・
茶道・華道などの伝統文化関連の講師またはスタッフ
特徴・求められる技術や知識:
自らが着物でお店に出たりデモンストレーションを
行うので、着物を来た姿を人に見られる機会が多い。
美しく着付けている事が、そのサービスのブランド
イメージにかかわる。
着物の生産に関わる仕事
活躍の場:
和裁士・染色・織物などの仕事・着物のメーカー
特徴・求められる技術や知識:
着物を仕立てたり、生地を生産する仕事。
着付けを理解している事や、生地に関する深い知識が必要。
着付けの技能や知識の他に持っておくとよい技術として、例えば着付師の場合はヘアメイクまで習得するとより強みとなります。
また、近年は外国人も着物に強い関心を示しているので、英語コミュニケーションがとれると更に活躍の場がひろがります。
5.着付け教室で資格をとるメリット
着付けの仕事は免許制ではないため、独学でも学ぶことは可能です。
では、お金と時間をかけて着付け教室で資格をとるメリットは何でしょうか。
メリット | 特徴・求められる技術や知識 |
---|---|
自分の目的に沿った学びができる | 着付け教室では段階的に多くの資格を用意しているので、自分自身がどうなりたいか、その目的に到達できるようなプランに沿った学びを得ることができる |
技術と知識の網羅性が高い | 独学でインターネット上などで得た知識について、その解釈を間違えたときに正してくれる人や、必要な技術や知識が網羅されているのかを確認する機会がない。教室が網羅性が高いのは大きなメリット |
体型の個性に対応した技術を学べる | 着付け師として成功するには、その人の年代、体型などの個性に合わせた着付けや、着付けた後快適に過ごせるように着せる技術が必要。 多くの人を着付ける経験が必須であり、独学や個人教室ではなかなか学ぶことが難しい |
教室の仲間と切磋琢磨できる | 着付けの種類は多種にわたり、着物に関する知識も膨大なため、学ぶには相当量の時間が必要。 その期間を教室の仲間と情報交換しながら互いに高め合うことができる。 |
教室によっては仕事を紹介してくれるところも | 教室が仕事のネットワークを持っていて紹介の体制が整っている場合、着付けの仕事を紹介してもらえることがある |
教室のブランド力で技術が保証される | 着付けの技術力が業界で認知されている教室は、その教室で学んだ事で就職先で技術力を評価してもらえることがある |
6.着付けを学べる教室選びのポイント
資格取得の期間
着付け教室に通い始めてから資格をとれるまでの期間は、教室のカリキュラムや資格の内容によって様々ですが、目安としては、自分できれいに着物が着られるまでに約半年、他の人への着付けの資格取得には1~2年、婚礼などのフォーマル着物の着付けの資格取得には更に1年程度、と捉えるとよいでしょう。
着付けの資格取得費用が予算にあっているか
着付け教室の価格設定は様々ですが、約3年間着付け講師になるまでをきっちり学んだ場合はその教室で得られるレベルにもよりますが、30万円から50万円程度 というのが目安と考えられます。
レッスン費用の他に、認定料がかかる場合もあります。あらかじめ確認しておくとよいでしょう。
教室の技術力が高いか
着付師になるには高い技術が求められます。
その教室で習うことでプロとして一人立ちできるまでのスキルがきちんと学べるかどうかの見極めが重要です。
教室の卒業生がどんな場所でどんな仕事に就いているのかを確認することで、その教室の技術が如何に業界で認められているかが分かるので必ず確認しましょう。
教室や先生の雰囲気が良いか
資格取得の期間や費用ももちろん大事ですが、習う先生のスキルや人柄、相性を確認しておくことも、数年通い続ける教室選びにはとても重要です。
また、先生の着姿や所作が美しいと自分のスキルアップに期待ができますよね。
無料体験レッスンを通して確認しておくことをおすすめします。
まとめ
着付けのプロになるためには、資格が必須ではありませんが、資格をとることは一定の技能を有している証になりますし、自分自身も着物に関する技能と知識を網羅的に学ぶことが出来るのでおすすめです。
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春季と秋季に無料お試しレッスンを開講しておりますので、是非学ぶ機会として気軽にお申込みください。
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