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2014.01.10 吉祥寺校 京都・丹後研修旅行

吉祥寺校 京都・丹後研修旅行

 

今回は、京都駅から特急に乗り継ぎ二時間、白生地の産地として有名な丹後まで行ってまいりました。

 

◆初日

まずは観光で、日本三景の一つ「天の橋立」です。14分ほどですが、遊覧船に乗ってみました。

天橋立

 

 

遊覧船天橋立桟橋で乗って一の宮桟橋で降り、徒歩5分程でケーブルカー乗り場です。 ケーブルカーに乗るのは数分ですが、股のぞき名所の傘松公園に到着します。 股のぞき名所は、全国でどの位あるのか?ですが、いかがでしょうか? こんな感じです。

天橋立 逆さ

最初の研修は、螺鈿(らでん)で有名な民谷さんです。薄く削られた貝をデザインに合わせて カットしていきます。

民谷螺鈿その2

豪華さを表現するため、金銀箔を使います。

民谷螺鈿その3

完成すると、こんな感じです。でもこの状態では帯にはなりません。

民谷螺鈿その4

最後に細かく裁断し、横糸として織上げますと豪華な帯になります。 民谷さんと記念撮影です。初日から勉強熱心な皆さんです。

本日のお宿は、夕日ヶ浜温泉の新海荘さんです。 新海荘その6

夕日ヶ浜温泉は、日本の夕陽百景にも選ばれた夕日の名所ですが、冬の時期は松葉ガニや新鮮な地魚も楽しめます。 研修旅行の目的は、お着物ばかりではございません。その土地の文化やおいしい食とお酒を勉強することも大切です。 IMG_1111

本日の松葉ガニは兵庫県柴山港で水揚げされたものです。 お一人で松葉ガニをガッツリと頂きます。新海荘その1

まず、女将さんがだしを注ぎます。お味は幸せの味です。 IMG_1125

新海荘さんでは、漁師直伝のうまみを閉じ込めた「蒸しガニ鍋」を堪能できます。 新海荘その3

土鍋で煮るのではなく蒸すことで濃厚な味わいになります。 カニばかり書いてしまいましたが、新海荘さんの温泉も最高でした。

新海荘 温泉

 

◆二日目

二日目は丹後といえば丹後ちりめん等の白生地が有名ですが、 その白生地とお召も織られている篠春織物さんへ行ってまいりました。 篠春織物その1

篠春織物その6白生地の織元が紬や帯の織元と違う点は、糸から細い加工をすることです。 目的に合わせて、撚りの強弱を変えます。(撚糸)

篠春織物その2糸を撚るとき右に撚るのか、左に撚るのか、これはとても重要なことです。 通常、単糸の撚りはZ撚りで、それらの糸2本(双糸)を合わせるときは、S撚りで合わせます(合糸)。

Z撚り・S撚りについては、こちらのサイトに詳しく記載がありました。ご興味がある方はのぞいてみてください。

熱心に説明を受けますが、糸から理解することはとても難しいです。 産地や織元により、糸の太さ、撚り、組合せ、おり方と個々に 歴史と工夫がありますので、一日で理解をするには、本当に難しいと思います。
篠春織物その7自動織機の説明も受けますが、機の音が「ガシャガシャ」と聞き取れません。 でも篠村常務さんの説明は本当に丁寧です。 常務の後ろにジャガードの紋紙がつるしてあります。この紋紙によって 麻の葉や複雑な柄を織り上げることが出来ます。篠春織物その8

 

最後に篠村社長、常務と記念撮影です。 篠春織物さんありがとうございました。

次は古代の織物、小石原将夫さんの遊絲舎さんです。 遊絲舎さんでは、藤の蔓から出来る藤布を織っています。藤布その1

藤の糸をバックに丁寧に説明して下さる小石原さんです。 藤布の材料は藤の蔓ですが、野山に自生する藤のほとんどは左巻のいヤマフジで実際に使うのは右巻のノダフジです。 藤布の工程は、藤伐り、藤剥ぎ、灰汁炊き、藤こき、熨斗入れ・・・ と行いますが、画像は熨斗入れされてる状態です。藤布 藤績み

(遊絲舎HPより)

また、藤こきでは、独特なコウバシでしごき、木炭や不純物をコキ流します。 藤布その2

藤布は、古代から伝わる布ですが、この布を織ってるのは日本で二か所だけです。 この貴重な技術をぜひとも後世へ残していただきたいと思います。 藤布その3 最後に小石原さんと記念撮影です。 遊絲舎の研修後、また二週間特急で移動。同じ京都府でも丹後と市内は遠くて大変です。

 

3日目
少~し疲れてきました。が、研修は続きます。 最終日は天目染めで知られる市川さんです。 天目染めは天目茶碗の模様(油滴)を染めで表現したものです。  市川その1油滴の模様を染めるにはなんとオガクズを使います。  まず、白生地を張り、刷毛で地染めをします。 市川その3 地染め後、その上に均等にオガクズを撤きます。市川その4 下からヒーターで炙り、オガクズに染料を吸わせます。 市川その5 夏でもこの作業を行いますが、風の影響を受ける為、エアコンは使えず、窓を開けることもできません! 本当に痩せるそうです。ダイエットしたい方はぜひやってみてください。 また、下から覗くと、オガクズに染料が吸われ、天目の模様に変化していくのが見えます。 市川その7市川その8綺麗な天目柄の小紋ができました。 最後に、市川さんと記念撮影です。

研修の最後は小糸染芸さんです。小糸その1 五代目の社長、小糸染芸さんでは代々、型友禅をやってきました。 手描きに対して型染めは、同じ着物を多く染める技法ですが、 色の数だけ型紙が必要で、とても手間のかかるものです。

この柄この柄で1000枚以上の型紙が必要で髪の毛の一本まで表現されています。 小糸その2色数の多い分、染料の微妙な色を保つのも大変な手間です。 小糸その3板場に型紙を置きその上から決められたが諸を摺りこんでいきます。小糸その6 最後に小糸太郎社長と記念撮影です。 皆さんお疲れ様でした。そしてありがとうございました。