2003.06.10 2003年歌舞伎鑑賞教室
実在した長唄演奏家の青春時代のエピソードを脚色した、人気の高い作品です。
ふとしたきっかけで人生を狂わせて行く二人のラブストーリー。
お富の艶やかな美しさが、洗練された演出で際立ちます。
「しがねぇ恋の情けが仇・・・・・」
美男美女の、鳥肌が立つような魅力に引き込まれてしまいます。
江戸時代。小間物屋・伊豆屋の若 旦那、与三郎は木更津の浜辺で
土地の親分・赤間源左衛門の愛人、お富とすれ違う。
お互いに相手の美しさに一目惚れした二人は、契りを結びます。
なんとそこへ源左衛門が踏み込んできます!
与三郎は体中を斬り刻まれ、海へ放り込まれます。
一方、お富も海へ身をなげますが、和泉屋の大番頭・多左衛門に
助けられてしまいます。
それから三年。お富は多左衛門の世話を受けて暮らしていました。
その家へ金をせびりに来た安五郎と、その仲間。
その仲間こそ与三郎だったのです。
お富に亭主がいると思い込み、責める与三郎。
しかし多左衛門がお富と実の兄妹だと分かり、
二人は改めて再会を喜び合うのです。