2006.04.26 ペイネ美術館&メルシャン美術館
2006年 しゅう美会 軽井沢美術館・博物館巡り
2006年4月23(日)・26日(水)、〈しゅう美会・教養コース〉の特別授業〈美術館・博物館巡り〉が行われました。今年は、豊かな自然と芸術が融合した理想郷 “軽井沢”で、ゆったりとした時間と空間を楽しみました。「ペイネ美術館」・「メル シャン美術館」・「縄文ミュージアム」。そしてジャンルの 違う3美術館と“縄文・ 古代体験”で五感を研ぎ澄ませていきます。
フランスの画家・レイモンド・ペイネ(1908~1999)は自らの筆に
平和を託しました。人類の経験した憎しみあい、終わることのない
あらゆる不幸・・・。『愛で世界中をひとつにしたい』彼の強い願
いは「ペイネの恋人たち」として実り、平和や愛に見放された暗い
社会に一筋の光をもたらす希望の使者となったのです。公園の片隅
で寄り添う山高帽の男の子と愛らしい女の子。二人を祝福する天使
や森の動物達。「人間愛に満ちた平和な世界」を「おおらかな男女
の愛」に代えて謳いあげる作品は、見る人を自然と微笑ませずには
おきません。
個人邸宅風の「ペイネ美術館」は、とても小さな美術館でした。順番を待って靴を脱いで「おじゃまする」可愛らしい空間に、なんだか嬉しくなってしまいます。
モルトウイスキーの故郷
スコットランドによく似た清澄な軽井沢。
1995年、メルシャン創立60周年を機に、ウイスキー蒸留所の敷地内に開館したのが「メルシャン軽井沢美術館」です。メルシャンといえば、ワインをイメージしがちですが、実は1955年以来、軽井沢でモルトウイスキーを育んできました。ルーブル美術館の内装を手がけたフランス人建築家ジャン=ミッシェル・ヴィルモットの起用により、蒸留所の敷地内に点在する樽貯蔵庫や庭園の“たたずまい”をそのままに、自然豊かな小さな村(ヴィラージュ)をイメージした空間が新たに誕生しました。
恵まれた自然と本場スコットランドの伝統的な製法への徹底したこだわり。それが、軽井沢蒸留所、「軽井沢」のエッセンスです。
蒸留所で働く職人は、わずか3人。優れた技術とともに、職人達の熱き想いが、小さな蒸留所を守り続けているのです。
また、蒸留所見学も出来るようになっており、メルシャンウイスキーのプロが分かり易くウイスキーの製造工程を説明してくださいました。
大きな樽が貯蔵庫いっぱいに並べられているのは圧巻。ウイスキー達が「豊潤な琥珀色への時を静かに過ごす」というお話しを聞いて、ウイスキー造りとは飲み物ではなく生き物を造る作業なのだと感じました。
メルシャンプラザでは、熟成年数17~31年の原酒をヴァッティング(調合)したウイスキー「軽井沢17年」やワインの試飲を楽しみました。その美味しさに、試飲をしすぎてほろ酔いで帰りのバスに乗り込む生徒さんもいらっしゃったそうです。