2014.06.13 歌舞伎鑑賞教室
――――――――――――――
歌舞伎鑑賞教室
――――――――――――――
2013年6月12日
しゅう美会・教養科の授業として、国立劇場で歌舞伎鑑賞があり、
6/8との2日間で、1000人近くの生徒さんが参加されました。
この日は梅雨らしく、小雨がふっていましたが、沢山の生徒さんがお着物で会場に来てくださいました☆ミ
ホールに入ると、鏡獅子がお迎え。
今年の演目は「ぢいさんばあさん」。
森鴎外の短編小説を原作に、宇野信夫さんが作演出を手がけた新作歌舞伎です。
歌舞伎の見方(前座の歌舞伎解説)は、去年に引き続き、中村虎之介さん。
中村扇雀さんとの親子の共演など、見どころが満載です。
――――――――――――
■あらすじ
・序幕 江戸番町美濃部伊織の屋敷
美濃部伊織と妻るんは仲の良い若夫婦。
宮重久右衛門はるんの弟で、短気なところがあり、友人との喧嘩で傷を負ってしまった。
このため一年間の京都二条城在番の役を、義弟の代わりに伊織が勤めることになり、明日伊織が単身京へ発つので詫びにやって来ていた。
そこに、下嶋甚右衛門を振り払いながら伊織が帰宅する。
下嶋甚右衛門は、伊織と久右衛門にもしつこく絡み嫌味を言いつつ帰っていく。
庭には結婚した年に植えた桜の若木が満開の花を咲かせている。
伊織は、来年の咲く頃には戻って来るのだからと、るんと生まれたばかりの子との別れを惜しむ。
・二幕目 京都鴨川口に近い料亭
月がかかる鴨川の川床での顛末
伊織は宴に同輩を招いて先日買い求めた高価な古刀を披露し、皆で盛上がっている。
が、その刀を買うのに、手持ちの百両では足らず、残り三十両を下嶋甚右衛門から借りたと知った同輩達は、早く返して下嶋甚右衛門と縁を切るようにと忠告する。
と、そこへ宴を聞きつけた下嶋甚右衛門が泥酔状態で乗り込んでくる。
金を貸した自分が宴に呼ばれなかったことを恨み、いつもにも増してしつこく絡む下嶋甚右衛門を、伊織は斬ってしまう。
・大詰 江戸番町美濃部伊織の屋敷
屋敷を守っていた甥夫婦は、帰ってくる伊織夫婦の為に心尽くしの贈り物を用意して屋敷を後にする。
越前有馬にお預けとなっていた伊織が、三十七年振りに罪を赦され屋敷に帰ってくる。
懐かしい我が家と大きく育った満開の桜の樹を見ている。
と、そこへ駕籠が着き中から立派な老女が現れる。
子供を亡くした後、越前黒田家で奥女中奉公していた妻のるんである。
見た目がすっかり変わり、初めは互いに分からぬ二人だが、伊織の鼻に手をやる癖にるんが気付き、年月を取り戻したかのように寄り添う。
――――――――――――
悲しい偶然が重なり、長い間別れ別れになってしまった夫婦の運命の物語ですが、
コミカルな笑いを誘う場面も多いです。
生徒さんからは、「江戸時代よりも後に作られた物語を歌舞伎にしたので、ストーリーがわかり易く楽しめました。」と、とても好評でした。
歌舞伎鑑賞は、着物でお出掛けをする場所として好まれます。
これをきっかけに歌舞伎を見てみたいと思われた方は、是非お着物でお出掛けくださいね。