2005.02.13 2005年歌舞伎鑑賞教室
国立劇場にて歌舞伎十八番の内
「毛抜」を鑑賞しました。
6月6日(月)、12日(日)の
2日間で約1200名が参加しました。
当時の最新科学知識・磁石を取り入れた、
推理小説にも似たユニークな作品です。
≪歌舞伎のみかた≫解説は、坂東亀三郎(ばんどう かめさぶろう)。
(※1)花道にある(※2)スッポンという装置を使って、
忍術使いのように印を結びながら登場。
渋い声で解説を進めていきます。
スクリーンを使って「あらすじ」の解説をした後、
鑑賞教室に来た観客と舞台上で小道具の紹介をします。
【毛抜(けぬき)】の見せ場の一つ≪毛抜≫が磁石の働きで動くことから、
『仕掛けもの』の小道具の紹介が中心となっています。
また私達には「黒子」と言った方が馴染みがあるのですが、
「後見結び」の由来ともなった「後見」の紹介もされました。
今回のお話は、古風な様式美に富んだ演出なので
「黒子」ではなく「裃後見(かみしもこうけん)」という、
裃姿の後見が舞台に登場します。
時は平安時代。京都・小野春道(おののはるみち)の館で家宝の
「ことわりやの短冊」が紛失し、大騒動になります。
家中では邪な心を持つ・八剣玄蕃(やつるぎ げんば)と、
短冊預かり役・秦民部(はた みんぶ)という二人の家老が対立。
そこへやって来たのが文屋豊秀(ぶんや とよひで)の家臣・
粂寺弾正(くめでら だんじょう)。
豊秀と許婚である当家の姫君・錦の前(にしきのまえ)が、病気を理由に
婚礼を延ばしているので、様子を見に来たと言う。
美少年や腰元にたわむれてフラれた弾正が、
退屈しのぎに髭でも抜こうと毛抜を取り出すと、何と不思議なことに
毛抜き宙を舞うではありませんか!!
「これはおかしい」と思い天井を見上げる弾正。
さて弾正は小野家の三つの難問を、どう解決へ導くのでしょうか?!