2005.07.31 2006年 『手描友禅教室』
2006年7月・8月に各校で行われた『手描友禅教室』をご紹介します。
毎年、夏に行われる手描友禅教室。
回を重ねるごとに人気が増し、
2005年からは帯だけでなく
訪問着の手描友禅教室も開催されています。
「すごく大変そう」
「上手くできなかったらどうしよう・・・」
こんな風に思う方も
「次回の手描友禅教室に参加したい!」
「自分で創った帯・着物で出かけたい!!」
と思っている方も是非参考にしてみて下さい。
1.ご挨拶
毎年、京都から手描友禅のプロが
指導に駆けつけてくださいます。
地色選びから友禅差しまで
丁寧に教えているので、
初めて参加する方でも
大船に乗った気持ちで制作できます。
※教室によって担当の職人さんが
変わるのも楽しみの一つです。
2.色選び
まずは地色選び。
「濃い方が失敗が目立ちにくいですよ。(笑)」
と言う職人さんの言葉に真剣に考える参加者。
絵柄の色決めもあるので、大忙し。
同じ色なのに微妙に違う見本を一つずつ吟味します。
決められた時間内での作業ですが、妥協はしたくありません。
自分では考えもしなかった職人さんが提案してくれた色に
想像以上の傑作が出来上がる人も多いようです。
3.地入れ
下絵・糊置き(染料が滲まないよう下絵の線になぞって糊を置く作業)
まで済んでいる生地にフ糊と豆汁うぃ合わせた液体を塗ります。
この作業を『地入れ』といいます。
地入れをしないと色が滲んだり生地に色が浸透しにくくなり
作業が困難になります。
一件、地味な作業ですが手描友禅の工程の中では重要な作業です。
4.友禅挿し
糊おきした柄の内側に染料で色押しをします。
作品の仕上がりを左右する最も重要な作業です。
作業台の上に”天然水”がおいてあったので、
「飲み水ですか?」とたずねたところ、
やはり染料に混ぜる為の水のこと。
「普段は水を沸騰させたものを使うんだけど、
ここじゃ無理だから、天然水を使ってるですよ。」と教えてくれました。
なるほど本物の友禅。確かに不純物の多い水道水を使うわけにはいきません。
参加者の見えないところでも友禅の繊細さが光ります。
さて、長い間かけて”色挿し”まで終わった反物達は、一度京都に送られ、
帯・着物になって参加者の手元に戻ってきます。
京都府知事賞・友禅協同組合賞を受賞された方は、
「きものレディ着付け学院 新年会」で表彰され、
受賞作品の展示も行われますので、皆さんも是非、ご覧ください。
今回も傑作揃いの手描き友禅教室。出来上がりが、待ち遠しいですね。