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2012.07.20 上大岡校 日本の絹 研修

上大岡校・平田主任の悠々講座で、
群馬県にある製糸工場の見学に行ってきました。

課外授業のタイトルは

『日本の絹 研修』!!

その名の通り一泊二日かけて、
絹糸が出来上がるまでの工程を勉強しました。

2012年7月10日(火)
高崎駅に着いてすぐ碓氷製糸へ向かいました。
妙義山をのぞむ碓氷川沿いにある碓氷製糸。
緑豊かな場所で、
昔から農家の方が養蚕を行ってきた歴史を感じます。

養蚕が盛んだった群馬県では、
蚕のことを敬意と愛情を持って
「お蚕様」と呼んでいたそうです。

碓氷製糸では大型機械を使い、蚕から絹糸を作ります。
この『器械製糸』という製造方法だと、
大量生産ができるため、
戦前日本の輸出産業では花形の産業だったそうです。

まずは『煮繭』という作業で繭糸を繰り取れるようにします。

お蚕様がグツグツ煮られていきます。

自動繰糸機で繭糸を生糸にします。
碓氷製糸では1分間に200回転以下で
糸を巻き取り、均一な太さの生糸を製造します。

『揚返し』という作業では小枠に巻き取った生糸を、
取り扱いに便利なように大枠に巻き返します。
こちらも大型機械で行います。 

仕上げ作業では、光沢のある美しい絹糸に。

こうして全国に送られていきます。

続いては登坂工房を見学。

登坂工房では伝統的な手作業で、
繭を絹糸にまで仕上げていきます。 

また、国内でも珍しいヤママユガの生糸を使った
『天糸(てんさん)』という絹を生産。
天糸は「繊維のダイヤモンド」ともいわれるほど、
美しい糸で、きめが細かく
うっすらと緑色がかっているのが特徴です。

天皇皇后陛下がご興味を引かれ、
直々に視察訪問されたことでも有名なんだそうです。

黄色の糸を吐く新種の蚕の研究もされていて、
とても珍しい蚕を見ることができました。

※以下に、
 蚕が大量に写っている写真を掲載しています。
 虫が苦手な方はご注意下さい。
 

こういう小さいお蚕様が頑張って
絹糸になる糸を吐き出してくれているんですねぇ。

蚕の交尾のための籠も見せていただきました。
この籠の中にオスとメスのお蚕様を入れて、
お見合いさせるそうです。

山の中には37棟のお蚕様用のテントが立ち並びます。

通常の養蚕が、桑の葉を餌にして屋内で行われるのに対し、
「天蚕」は自然の中のクヌギの木で成長する蚕です。
自然の中で育っているので、健康そうなボディをしていますね

クヌギの木を見ると、なにやらガムテープが貼ってあります。
実はこれ、クヌギにガムテープで卵を着けているんだそうです。

天蚕の卵は小さくゴマ粒のよう。
なんとこの天蚕の卵、
肝臓ガンに効果があるかもしれないということで、
現在、研究が進められているそうです。


クヌギ畑で可愛い犬を発見!!
ペコちゃんとラッシーです。
この2匹、ただの犬ではなくお蚕様の番犬なんです!!

夜になると、野猿が畑に下りて来て繭を食べてしまうため、
ペコちゃんとラッシーが野猿を追い払ってくれています。
可愛い顔をして、なんとも頼もしい養蚕農家の相棒です。

登坂工房は揚返しも
手作業で丁寧に行います。

翌日は、世界遺産の暫定リストに記載された
富岡製糸工場を見学。
明治時代に建てられたレンガの建物は、
文明開化へと向けて希望に満ちた
日本の姿を象徴するようでした。

着物を作るうえで、何よりも欠かせない絹糸。
着物は最初から最後まで、
とびっきりの手間と愛情を掛けて作られているんですね。

今後は、着物の袖に手を通す時に、
「お蚕様、製糸工場の方々、ありがとう。」
という気持ちになれそうです。

大型機械を使った製造方法と、
伝統的な手作業での製造方法。
その両方の良さを見比べ、
じっくり研修することが出来ました。

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