2012.06.13 2012年 歌舞伎鑑賞教室
2012年6月4日(月)・10日(日)に、
しゅう美会・教養科の授業として国立劇場に歌舞伎鑑賞に行ってきました。
2日間で約700名の生徒さんが参加。
蒸し暑い時期にもかかわらず、沢山の生徒さんが
着物を着て会場に来て下さいました。
今年の演目は『俊寛(しゅんかん)』です。
ちょうど10年前の歌舞伎鑑賞教室も同じ演目でしたね。
月日の経つのは、なんとも早いものです。シミジミ
歌舞伎教室は「歌舞伎のみかた」から始まります。
解説は大谷 廣太郎さん。
なんと6月10日(日)は大谷さんの20歳のお誕生日だったそうで、
さりげなく客席にもアピールしてました(笑)
今回は歌舞伎の音響効果について詳しく解説して下さいました。
『俊寛』は「竹本(たけもと)」が重要な役割を果たします。
歌舞伎では義太夫節の演奏者のことを「竹本」と呼びます。
三味線を持った長唄さんとは役割が違い、
三味線の音の高さも異なります。
長唄さんが舞台に登場した時に演奏していたのは、
なんと「happy birth day to you」
大谷さんのお誕生日を会場の全員でお祝いしました。
三味線の「happy bairth day to you」も、
なかなかおつで、いいものでしたね。
大太鼓の演奏の時は会場がビリビリと揺れるような迫力を
体全体で感じました。
また、雨→川→海と、同じ水の流れる音を
一つの大太鼓で演奏し分ける技術には驚きましたね。
音楽を使った立ち回りなど、『音』の重要性を
知ることが出来ました。
『俊寛』での紅一点、海女千鳥は
まだ大学生の中村 児太郎さんが演じました。
ご自身も年令が若いだけあって、
千鳥の初々しさとあどけなさ、
懸命で一途な性格がまっすぐに表現され、
なんとも可愛らしかったですね。
物語の核となる俊寛僧都は
中村 橋之助さんが演じました。
登場するなり「成駒屋!!」
の屋号が会場のいたるところから、掛けられます。
ラストシーンでは若い者を京の都に返すために、
1人、鬼界ヶ島に残ることを選んだ俊寛の苦悩が表現されます。
島から遠ざかる船を
「お~い」
と手を振り見送る俊寛。
「お~い、お~い」
最初は理性的に別れを惜しんでいましたが、
そのうちに孤独に襲われ、
激しく「お~い」と叫びながら地平線を見ます。
最後は、絶望感と共に「お~い」と叫び続けます。
台詞は「お~い」だけですが、
この一言で
別れを惜しむ気持ち
孤独に苛まれる気持ち
絶望感に耐えられず、身も心も潰されそうなほどの感情が
順を追って表現されていました。
最後の俊寛の姿は鬼気迫るものがあり、
さすが中村 橋之助さんだと魅入ってしまいました。
今年も静岡校、清水校の生徒さんが
バスを借り切って歌舞伎鑑賞教室に参加してくださいました。
遠いところ、ありがとうございます。
普段は見ることが出来ない
歌舞伎の裏側も知ることが出来る「歌舞伎鑑賞教室」。
みなさん、来年も是非参加してくださいね。
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